ドールを染める


はじめにお読みください




染毛についての記事で触れたように、リカちゃん・ジェニーなどソフビドールのヘッドの材質は染まりやすいです。



それを利用して染めて日焼け肌にするカスタマさんもいました。
以前は欲しい仕様がなければ作るしかありませんでしたから。



今はリカちゃん・ジェニーであれば日焼け肌であってもリカちゃんキャッスルから発売される可能性があるので出るまで待つなりすれば手に入るでしょうから、さほど大がかりなカスタムの必要はないかもしれません。



ただジェニー誌に「子供がボールペンで落書きをしたジェニーをボディ染めで目立たなくすることができた」という投書があったので案外そういう需要はあるのかもしれないと思い記事にすることにしました。





リカちゃん・ジェニーの通常のボディですが、部分によって染まり具合が違います。



ヘッドはアイやリップのプリント部分にボンドを塗って乾かし、染めてから水でぬらして剥がします(厚塗りし乾いた状態で剥がすとアイプリまで剥がれる恐れあり)。



腕は顔と同じく染まりやすいのですが、胴体はムラになります。
足は染まらないことはないのですが腕に比べると染まりにくいです。





ジェニー誌読者投稿欄に載っていた情報によると91年発売の波紋ボディなら綺麗に染まるようです。
中空で全てのパーツが同一の素材(ソフビ)で出来ているためと思われます。



ただし今持っているというのでなければ入手は困難。
波紋ボディで発売されたのはエリー・キサラ・リナのみでした。





「ドーリィドーリィvol.5」に変色した足の染め方が載っています。



足の変色はやや濃いめの肌色のジェニー系ドール(キサラ・リエ・15ジェニーなど)に多いので困っている方も多いのではないでしょうか。



大まかに書くと


1.染めたくない胴体部分に工作用セメダインを塗る

2.ダイロン13番のピンクを説明書を見て溶き足全体が浸るように沈め、染液を混ぜながら(なるべくムラにしないようにするため)様子を見つつ5分ほど浸ける

3.セメダインのパックを剥がす

4.Mr.カラー薄め液で拭く





染液から引き揚げてからも染まり続けるのでちょっと薄いくらいで引き揚げた方がいいそうです。



ちなみに足が変色するボディは変色する前に染めてもその後変色します。





ドールを染めると当然ですが元には戻せません。

なんとかリペアしたい、という場合であれば仕方ないでしょうがそれなりにリスクのある作業です。



カスタムしてみたいから、という理由ならおススメはしません。



じっくり考えてからにしましょう。





ドールの染毛について


はじめにお読みください




明るい髪色をダークにしたい、金髪の子を黒髪にしてみたい…


髪型は変えなくてもいいから植え直さず色だけ変えたいんだけど自分で染められるの?


そう思っている方、いるだろうと思います。


結論から言うと




「毛染めはやめとけ!




出来るかと問われればそりゃ出来ます。


ダイロンなどを使えば染められます。


しかし毛と接している部分であるヘッドのソフビもまた非常に染まりやすいものなのです。


ジェニー誌には木工用ボンドを顔に伸ばして乾かし、要はマスキングしてから染める方法が載っていましたが、しっかり洗ったつもりでも染まった毛からじわじわ色が肌に染みだし内側から染まってしまうので、表面を覆ってなんとかなるものではないです。


ならば予め植毛用の毛を染めてから植えればいいのではないか?


それもやめておいた方がいいです。


やっぱり植えた毛束からヘッドへ色が移ってしまうからです。

髪の色を変えたかったら市販のなるべく希望の色に近い植毛用ヘアを用意し植え直す、それに限ります。


質問サイトにあるように黒の油性マジックで塗りつぶしてみたことはありませんが、それもやめておいた方が無難です。


油性マジックのインクが人形の顔に付いてしまったらどうなるか容易に想像できるでしょう。


質問者がもし本当にそれをやってしまっているとしたら、今頃その人形はどうなっていることやら。





どちらもタカラの「赤毛のアン」。
左のアンをダイアナにしたくて染毛を決行。


染料に浸けた当初は綺麗な黒髪になり感激、ところがよく洗ったら髪の色は部分的に落ち、しばらく経ったら顔まで黒くなってしまいました。


画像だと一人だけ見てもわかりにくいので元の状態のアンと並べました。


これで毛染めを推奨しない理由をわかっていただけるだろうと思います。


これの他にも毛染めをしたら顔色が暗くなってしまったことや、染めた毛を植えたら地肌が黄土色になったしまったことなどもあります。


大事なドールならリスキーなことは避けるべし。